介護の「ヒヤッ」から気づいた 、家の中の小さな工夫

心穏やかに、家族の笑顔を守るお手伝い
暮らしのトータルサポートKOKUYA
心穏やかな暮らしのアドバイザー

伊東眞理子です

介護の「ヒヤッ」から気づいた
家の中の小さな工夫

母を自宅で介護していた5年間。

今振り返ると、
「危なかった……」
「どうしよう……」
とヒヤッとしたことが何度もありました。

特に覚えているのが、
ベッドとトイレでの出来事です。

トイレでへたり込んでしまった母

あるとき母が、トイレでへたり込んでしまいました。

「立ってみようか」と声をかけても、
足に力が入らない。

私一人の力では、
どうしても立ち上がらせることができませんでした。

無理に抱き起こそうとすれば、
母も私も一緒に転んでしまうかもしれません。

そんなとき私が使ったのが、毛布でした。

母の下に毛布を敷き、
その毛布ごと少しずつ安全な場所まで移動させました。

介護をしていると、

「何とか立たせなくては」
「私が起こさなくては」

と思ってしまいます。

でも、力任せに何とかしようとすることが、
かえって危険につながることもあります。

無理に立たせない。
無理に抱え込まない。

母の介護を通して、
私自身も少しずつそんなことを覚えていきました。

ベッドから滑り落ちたこともありました

母はベッドの端に腰かけ、
そのままずるずると滑り落ちてしまったこともあります。

最初はもう、びっくりです。

「起こさなくちゃ!」

そう思っても、
横になってしまった大人の体を一人で起こすのは、本当に大変です。

そんなとき、
体を離したまま腕の力だけで引っ張るのではなく、
自分の体をできるだけ相手に近づけて介助することを教えていただきました。

介護には、
力ではなく「コツ」がある。

専門の方から教えていただいた方法に、
何度助けられたか分かりません。

ただし、転倒や転落のあとに痛みやけがが疑われる場合などは、
無理に動かさず、専門職や救急へ相談することも大切です。

「転ばない家」に少しずつ変えていく

母との暮らしの中で、
家の中も少しずつ変えていきました。

ベッドには使いやすい手すりをつける。

歩く場所には、つかまりやすい位置に手すりをつける。

足元を見直す。

滑りやすい履き物は変える。

床にはなるべく物を置かない。

暗い場所には明かりをつける。

ほんの小さなことばかりです。

でも介護では、
その「ほんの小さなこと」が安心につながります。

そして大切なのは、
介護される人だけが快適になることではないと私は思っています。

介護する人も、無理をしなくていい家にすること。

母が安全に暮らせて、
私も少し楽に介護ができる。

その両方があってこそ、
在宅介護は続けやすくなるのだと感じました。

「ヒヤッ」は、暮らしを見直すサイン

介護をしていれば、
どんなに気をつけていても
「ヒヤッ」とすることはあります。

私もそのたびに、

「どうしてこうなったんだろう」

と考えました。

そして、

「じゃあ、次はどうしたらいい?」

と、家の中を一つずつ変えてきました。

最初から完璧な介護の家だったわけではありません。

困ったから変える。
危なかったから工夫する。
分からなければ、専門の方に聞く。

その繰り返しでした。

介護のためのお部屋づくりは、
大がかりなリフォームだけではありません。

手すりを一本つけることも、
履き物を変えることも、
床の物を一つ片づけることも、

大切な「介護の環境づくり」です。

そしてそれは、
介護される人と介護する人が
お互いに少しでも心穏やかに暮らすためのお部屋づくり
でもあるのだと思います。

もし今、

「この場所、ちょっと危ないかな」
「介護しづらくなってきたな」

と感じている場所があったら、
そこが見直しどきかもしれません。

大きく変えなくても大丈夫。

まずは一か所、
暮らしの中の「ヒヤッ」を探してみませんか。

母を5年間介護した経験、
そして今の家族との暮らしの中で感じていることをもとに、
介護する人もされる人も笑顔でいられるお部屋づくりをお伝えしています。

「うちの場合は、どこを見直したらいい?」
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