介護の終わりのことも話し合っておく大切さ

福島県石川町の笑顔で心豊かな人生のお手伝い

介護、生前整理、整理収納、防災のライフナビゲーター

住まいのトータルサポートKOKUYA代表

伊東眞理子です

「お別れの準備」〜母の葬儀を通して感じたこと〜

皆さんは、介護の後に訪れる葬儀やお墓のことを考えたことがありますか。

「介護を頑張っているのに、そんな話は縁起でもない」
「まだ早い」「考えたくない」——
そんなふうに思う方も多いかもしれません。

けれど、最期を在宅で看取ると決めたなら、
その先のことまで考えておくことで、心に余裕が生まれます。
「もしもの時も大丈夫」と思える安心が、日々の介護を支えてくれます。

菩提寺がある場合の準備とお坊さん選び

母の時のことをお話しします。

主治医の先生から
「来年の桜を見るのは難しいでしょう」と告げられた頃、
私は、福島にある菩提寺で葬儀をするのか、
それとも当時住んでいた柏で行うのかを兄と相談しました。

兄は「福島のことは心配するな。お前の好きにしていいぞ」と言ってくれました。
その言葉に背中を押され、私は「最期は家族だけで静かにお別れをしたい」と思い、四十九日は福島で行うことにして、柏の近くの葬儀社に
生前予約をしました。

葬儀社に伺うと、
「菩提寺がある場合、トラブルを避けるためにお坊さんの手配は行わないことが多い」
と教えていただきました。

そのため、お坊さん探しをどうしようかと悩んでいたところ、
偶然にも知り合った方が僧侶で「お手伝いしますよ」と言ってくださり、お願いすることができました。
このご縁には本当に感謝しています。

兄の方は大変だったようです。
「今回だけは特別に」ということで了解を得られたものの、
「成仏できませんよ」と言われたこともあったとか。
けれど、最終的には話し合いのうえで納得していただきました。

このように事前に流れが決まっていたおかげで、安心して介護に専念できたのです。

亡くなってから葬儀までの流れ

  1. 医師による死亡確認と葬儀社への連絡
    在宅の場合は訪看さん・かかりつけ医に連絡。
    病院で亡くなった場合は、医師が死亡診断書を発行します。
    葬儀社は、すぐにお迎えや安置の手配をしてくれます。

  2. 安置とお別れの準備
    ご自宅や安置室にお迎えし、枕飾りを整えます。
    好きだった花や写真をそばに置きながら、静かにお別れの時間を過ごします。

  3. お通夜・葬儀・告別式
    家族だけでの葬儀を希望していたため、静かに見送る形を選びました。
    ただ、母の周りには思い出の写真や母が詠んだ俳句等を飾り、お供花は明るお花で、棺の中には手紙や母の詠んだ俳句集等、オリジナルでお願いしました。
    葬儀社の方が細やかに寄り添ってくださり、心から感謝しています。

  4. 火葬・納骨・法要へ
    全てが終わったあと、兄たちが母のお骨を福島に持ち帰り、
    仏壇に収めてくれました。
    四十九日法要では、親戚が集まりお墓に納骨しました。

母の想いと、私の想い

母は100歳で旅立ちました。
長く親しくしていたお友達もほとんど先に逝かれていたので、
「葬儀は簡単でいいわよ」といつも言っていました。

それでも、家族一人ひとりがきちんとお別れをする時間を持てたことで、母もきっと喜んでくれていたと思います。

葬儀もお墓も、今は本当に多様です。
費用や形式もさまざまですが、
何より大切なのは「故人としっかりお別れすること」

突然の別れでは、気持ちの整理が追いつかないものです。
だからこそ、事前に考え、話し合っておくこと
「心の準備」につながるのだと思います。

まとめ:心の整理ができるお別れのために

  • 元気なうちに「どんな見送り方をしたいか」を話し合う

  • 菩提寺や宗派の確認をしておく

  • 葬儀社・僧侶・納骨の希望を少しずつメモしておく

  • 「お別れの形」もまた生前整理のひとつと考える

介護の延長線上にある「お別れ」も、やさしく見つめていくことで、
安心して介護ができる時間を増やすことができるのだと思います。

在宅介護や犬の介護の経験を活かし、
暮らしと心をやさしく整える講座や発信を行っています。

最後までお読みいただきありがとうございました

関連記事

PAGE TOP