やさしく学ぶ認知症のはなし③~症状別認知症との関わり方~

笑顔で心豊かな人生を整える
介護・生前整理・整理収納・防災のライフナビゲーター
福島県石川町 くらしのトータルサポートKOKUYA代表

伊東眞理子です

やさしく学ぶ認知症のはなし
症状別認知症との関わり方

〜できない理由を責めないために〜


症状別認知症との関わり方

~できない理由を責めないために~

症状を知ることが、やさしい支援につながる

前回は、認知症の中核症状についてお伝えしました。
今回は、症状ごとの特徴と、関わり方のポイントを整理してみます。

■ 記憶障害

脳の中で「記憶」を担当しているのが、**海馬(かいば)**という部分です。
この海馬に障害が出ると、記憶力の低下につながります。

アルツハイマー型認知症は、
この記憶障害から始まることが多いと言われています。

憶力の低下が、意欲の低下につながることも

認知症で物忘れが進むと、
意欲が低下してしまうことがあります。

たとえば、こんな流れです。

テレビでドラマを観ている

観ているうちに内容を忘れてしまう

話が分からなくなり、つまらなくなる

あきらめてしまう

興味が薄れ、意欲が低下する

「やる気がない」のではなく、
分からなくなる不安や、あきらめが背景にあることも多いのです。

記憶障害に対する支援のポイント

・何度聞かれても、初めて聞いたつもりで答える
 → 本人にとっては「初めて」の会話
  「さっきも言ったでしょ」「前にも聞いたよ」は控えたい言葉です。

・「忘れても大丈夫」と、安心する声かけ
 → 忘れることへの不安を和らげます。

・大切なことは繰り返し伝える
 → 私たち自身も、繰り返しで覚えることが多いですね。

■ 失見当識(しつけんとうしき)

約束やゴミ出しの日が分からなくなるなど、
時間や場所、人の認識が難しくなる症状です。

進行すると、
自宅にいても「自分の家が分からない」と感じ、
「家に帰る」と言って外に出ようとする(徘徊)こともあります。

失見当識に対する支援のポイント

・カレンダーや時計を、常に見える場所に置く
 → 予定があるときは、さりげなく声かけを。

・部屋や場所を示す分かりやすい表示をする

・予定はメモに残す
 → 目につく場所に貼ったり、手元に置く工夫を。

・必要に応じてアラームを活用する

■ 実行機能障害

目的に向かって、
段取りよく物事を進めることが難しくなる症状です。

ただし、
一つひとつの動作は保たれていることも多く、
「できること」を尊重する視点が大切です。

☆ 実行機能障害に対する支援のポイント

一緒に行うことで、安心感と自信につながる

・尿意はあるが、排泄の手順が分からない場合
 → 時間を見て声をかける
 → 一緒にトイレまで付き添う

・道に迷っている様子がある場合
 → キョロキョロしている、様子がおかしいと感じたら
  迷わず声をかけることが大切

■ 理解力・判断力の低下

以前のように、
素早く理解・判断することが難しくなります。

・予期しない出来事への対応が苦手
・同時に二つのことを処理できなくなる

といった変化が見られます。

☆ 理解力・判断力低下に対する支援のポイント

本人のペースに合わせる

・分かりやすく、一つずつ伝える
 → 情報はシンプルに、ゆっくりと

■ まとめ

認知症の症状は、
性格や努力の問題ではありません。

脳の働きの変化によって、「できなくなっている」だけ

症状を知り、理由を理解することで、
責める気持ちが減り、やさしい関わり方が見えてきます。

この投稿は、
「やさしく学ぶ認知症のはなし
〜脳を知ることから始まる、寄り添いの介護〜」

シリーズの一部です。

途中から読んでも分かるように構成していきますので、
気になるところからお読みください。

第1回:認知症とは?
〜はじめに知っておきたい基礎知識〜
https://kokuya-mariko.com/nursing/from-knowing-the-brain/

第2回:認知症の中核症状を知ろう
〜困った行動には理由がある〜
https://kokuya-mariko.com/nursing/core-symptoms/

第3回:BPSDの要因を知ろう
    〜本人の声にそっと耳を傾けてみませんか〜
第4回:症状別 認知症との関わり方
    〜できない理由を責めないために〜
第5回:介護する人の心を守るために
    〜頑張りすぎない関わり方〜

母を5年、愛犬を12年介護し、今夫の介護が始まりました。
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最後までお読みいただきありがとうございました

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